側音化構音を治すためには、母音の「い」の舌を整える訓練が必要です。
「いきしちに」など、母音のイ段が言えない場合には、「い」の舌に力が入り、間違った形で発音されています。
力を抜くために、舌の脱力が良いと聞くと思いますが、舌の脱力には、正しい方法と間違った方法があります。
それでは、側音化構音が舌の脱力で治るのか、発音の専門家が詳しくご説明します。
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Q、側音化構音ですが舌の脱力で治りますか?
側音化構音ですが舌の脱力で治りますか?
舌の脱力だけでは治りません
A、舌の脱力だけでは治りません
側音化構音は、舌の脱力だけでは治りません。断言してしまうほどですが、「い」の舌の脱力ができても、日常の会話ではすぐに使うことができないためです。
母音の「い」が言えない方は、舌が立つなどして、片側に偏って発音してしまうため、発音がしづらいと感じています。
例えば、「ち」が「き」に聞こえたり、唾液の音が混ざるなどします。
舌の脱力だけを行なっても、この偏りを取ることはできず、また、会話の中では、いつも通りの癖が出てしまいます。
会話で使えるようにするためには、舌の力を抜く必要がありますが、舌の脱力を行う際に、間違った舌の脱力と、正しい舌の脱力の方法があります。
間違った舌の脱力の方法
側音化構音の場合は、母音の「い」が付く発音で舌に力が入るため、この力を抜くために、舌の脱力が良いと言われています。
「あ」と発音する時は、舌が平らな状態に対して、「い」と発音する時は、舌が立つ状態になるため、舌を緩めることで、平らな状態にする方法です。
舌を歯よりも前に出したり、舌を下の歯の上に乗せて「ベー」の状態でキープするなど、発音に繋げるためには程遠い方法で、舌の脱力をする方法です。
これは間違った舌の脱力方法で、発音に繋げるには、かなりの時間を要する印象です。
また、舌を緩めた状態で話すと、舌足らずな話し方や、舌が前に出る話し方になるなどします。
正しい舌の脱力の方法
一方、正しい舌の脱力とは、発音の中で舌を脱力させる方法です。
母音の「い」と発音する際に、舌が立たないよう訓練を行います。
舌の位置と舌の形が正しい形状になるよう、舌の訓練を行いますが、舌を脱力して作る、というよりは、正しい舌の位置に固定するという方法です。
脱力と聞くと、力を抜く動作をイメージすると思いますが、単に舌をだらっとさせると、舌に厚みが出るため、綺麗な発音を作ることができません。
正しい舌の脱力とは、会話の中で使えるように、舌の位置と形を整え、舌が立たないように発音の中で脱力させることです。
そして、この正しい舌の脱力とともに、もう一つ必要なトレーニングがあります。
舌の脱力と何が必要?
側音化構音を治すためには、母音の「い」の舌の脱力と共に、子音のトレーニングが必要です。
言葉は子音と母音とで構成されています。例えば、「しちじ」の場合には、「sitizi」とそれぞれの子音「s,t,z」と母音の「i」を発音しています。
この子音と母音のそれぞれで、舌が立つ動作をなくすトレーニングが必要です。
「し」の「s」の空気が偏って出てしまう場合には、「s」を整える必要があり、舌の偏りを無くす必要があります。
また、「ち」の「t」や、「り」の「r」なども同様に、それぞれの子音で力が入る部分を取り除くことで、側音化構音を治すことができます。
側音化構音は正しい方法で改善できる
側音化構音は、正しい舌の訓練方法で改善することができます。
母音の「い」と子音のトレーニングを行うことで、舌の偏りを無くすことができます。
偏りがなくなると、空気の出る方向が変わり、発音が楽になります。
まとめ
側音化構音は、正しい舌の脱力と子音のトレーニングで治すことができます。
間違った舌の脱力を行なっている場合には、会話に繋げることができないため、注意が必要です。
現在行なっている舌の脱力が会話に繋がっていない場合には、練習方法を見直す必要があります。